2018.09.08
展開を予想しよう【初級】
3つのSTEPを知ったところで実際のレースで考えてみましょう。
何度も言いますが、競輪を買ううえで正解はありません。どんなに悩んでも外れればお金は無くなるし、何も悩まずに適当に買っても当たればお金は増えます。ただ、せっかくレースを見て買うなら、選手の動きを予想したり、レースの流れを考えて買うとより楽しめますよね。自分の想像したとおりに選手が動いた時の快感をぜひみなさんに知ってもらいたい!
というわけで、ここでは私が普段どんな風に予想しているかを紹介します。
これは2018年6月6日の平塚競輪 第1R の出走表です。
並び | ①③7 | ⑧24 | ⑨56 |
南関東 | 関東 | 北日本 |
まず初めにラインの構成を確認しましょう。ラインの構成を先に確認するのには意味があります。私は基本的にラインで展開を考えていきます。以前の記事でも言いましたがラインはチームです。でもみんながチーム一丸となっているかと思えばそうでもありません。自分の勝利のためにみんなチャンスを狙っています。100%チームだと思って考えてしまうと思わぬ落とし穴があったり、勝負のなかでの裏切りがあったり、逆に言えばそこがおいしい配当をゲットできるチャンスにもなります。なので、展開を考える前にラインを確認することが大事だと私は思っています。
今回のレースは3つの地区に分かれた3分戦です。
南関東ラインは先頭が地元選手。番手は同地区の年下選手。3番手は大ベテラン選手が固めています。先頭選手は逃げの決まり手も捲りの決まり手も持っていますね。番手も年下の選手なので、必ず逃げなきゃという後ろからのプレッシャーもないでしょう。むしろ番手選手は地元選手が前なのでしっかり援護しようという気持ちではないかと考えました。
続いて関東ライン。8番選手はラインの先頭の選手3人を比較して1番得点が低いです。そして逃げも捲りも決まり手がありません。どういう競走をしたら勝てるのか、もしくはラインから勝者を出せるのか悩みどころです。番手は同地区の後輩、3番手は同じく同地区の先輩が回ります。
最後に北日本ライン。先頭を走るのは9人の中で1番バック回数の多い9番。決まり手は逃げのみ。番手、3番手は同地区の先輩2人です。
さてラインの構成を確認したところで、レースの流れを考えていきますが、平塚競輪の場合、バンクを5周します。しかしその5周すべての流れを考えるのはプロでも難しいと思うので、初心者の方はまず最後の半周がどうなっているかを考えてみましょう。
残り半周を考える上で参考になるのが「バック回数」です。この中でバック回数が一番多いのは9番選手。決まり手も逃げのみなので逃げてバックを先頭で通過していることが多いと想像できます。私は9番の逃げ(先行と表現することもあります)で考えました。
では9番選手が逃げて残り半周を迎えたとき、1番選手か8番選手は捲れるのか、9番選手は逃げ切れるのか考えていきましょう。
まず8番選手は捲りの決まり手がないですし、逃げている9番選手よりも競走得点が低いので自分より強い選手を後ろから追い越すことはできないと考えて、私は8番選手は捲れないと考えました。一方1番選手は9番より競走得点は高いです。そして捲りの決まり手も持っています。なので捲れるとしたら1番選手だと考えました。そして9番選手自身は、バック回数は多いですが逃げの決まり手は3回。バック回数すべてが逃げてとったものかはわかりませんが、単純に考えると12回中3回つまり4回に1回しか逃げが成功していないと考えることができます。
それを多いと考えるかはそれぞれだと思いますが、私は1番選手が地元選手であることも加味して1番の捲りが決まる展開を考えました。
まずはライン3人で捲りきっての
1-3-7
そして逃げている9番の番手の5番選手は競走得点が一番高くで差しも回数もあるので、最後に追い込んでくる可能性を考えて
1-3-5
と考えてみました。
8番車のラインは出番なしだと考え、全員ばっさり切りました。
では実際のレースを見てみましょう。
ジャン(残り1周半)からレースは動きます。考えた通り9番選手が全体の先頭にあがり、後ろを見ながら逃げの体勢になりました。中段には1番のライン、8番車ラインは後方になりました。
さて展開予想した残り半周は…
1番車が少し外側に自転車を持ち出し、捲る体勢になりました。
ですが、なかなか前に進みません。1番車の捲りが進まないので1番のラインの3番手にいた7番が内側を自分で追い込んできました。
逃げた9番の番手の5番選手は時折後ろを見ながら1番選手を警戒していますね。
そして3番手の6番選手がしっかり内側をしめているので追い込んで来た7番もこれ以上前には進めません。
4コーナーを回って直線。ここからは1着を目指して前に進むのみです!
ここで3番手の6番選手の内側があき、そこに7番、そして2番選手が突っ込んできています。
逃げていた9番選手はおそらくもう苦しくてたまらないはずです。ただここがラインで戦ういいところ。番手の5番選手が自分の前で頑張って風を受けてくれた9番を見捨てずギリギリまで守ってくれています。
ゴール直前でようやく5番は9番を抜きにいきました。
結果は逃げた9番の番手から追い込んだ5番が1着(決まり手は「差し」)。9番が2着(決まり手は「逃げ」)。3着は3番手の6番で決まり、見事ラインでワンツースリーが決まりました。
私が選んだ1番選手は捲り不発となり、6着でした。
4回に1回の9番の逃げがここできまるとは。配当も劇的に安いわけではなかったので、両方の展開を考えてみてもよかったかもしれません。
3分戦の私なりの基本的な考え方を紹介しましたがいかがでしょうか。
ここからさらに位置取りを考えたり、初手を考えたりしていきますが、まずは半周展開を考えてみるだけでレースがより楽しく見ることができると思いますよ!